国内研修旅行
松前国際友好財団では、奨学者を対象に、日本の歴史や文化、産業などに触れ、高い倫理をもって科学技術を平和的に利用することの大切さを学ぶ国内研修旅行を実施しています。
研修では、京都や奈良の古刹を訪れて日本に根差した文化や精神に触れ、企業などで先端技術を視察するだけでなく、毎回必ず、広島市の広島平和記念資料館を見学することになっています。
本財団の創立者・松前重義博士は、1945年8月6日の原子爆弾投下直後に、技術院の調査団長として広島に派遣されました。その破壊力と惨状をつぶさに調べる中、あまりの状況に「かける言葉もなかった」と振り返っています。そして「科学は人類の平和と発展のためにこそ利用されるべきである」との強い思いを持つにいたります。
人類が科学知識と技術によって生み出した原子爆弾の威力は、つまり被爆地の惨状は当の人類に何を訴えているのでしょうか。本財団では、広島研修を通して研究者の良心の輪が世界的に広がることを願っています。